神桜鬼
□第四話
1ページ/2ページ
暗い暗い夢の中
私は独りで座敷牢から空を見ていた
『‥‥‥ぅぇ、あ‥‥‥上。会いたいです。‥寂しい‥‥』
ぼんやりと見える
涙を流す幼い女の子‥
貴女は誰?
涙を拭ってあげたくて
目尻に手を伸ばす
だけど
拭う前に
女の子との距離は開いていく
待って‥、
置いて行かないで‥
待って!!
ーーーーーーーー
斎藤「おい!大丈夫か?!」
斎藤さんの声に目を開けると
先ほど同じ天井
斎藤「悪い夢でも見たのか?随分とうなされていたが」
『すっすみません!眠ってしまったみたいで!!』
斎藤「いや‥。あんたの処遇が決まった。立てるか?広間へ連れて行きたいのだが‥」
『大丈夫です』
心を沈め広間へと向かった
********
近藤「待たしてしまったな!君の処遇が決まった!」
近藤局長が変わらず
優しく温かい笑みを浮かべ
私を出迎えてくれる
土方「お前は記憶が戻るまで新選組預かりとする。扱いは隊士としてだ。男装し、幹部補佐として働いてもらう。ここに居る以上お前は男だ。それを忘れるな」
(殺されない‥と思っていいのよね?)
『はい』
土方「配属は‥そうだなぁ‥」
近藤「君が決めるといい!」
沖田「彼女、一番組にくださいよ♪」
藤堂「ずっりぃー!お前、八番組に来いよ!」
永倉「いやいや、二番組だよな!」
原田「なぁに言ってんだ。十番組に決まってんだろう!なぁ?」
土方「‥‥おい、お前!悪い事は言わねぇ。総司だけはやめとけ」
沖田「失礼ですね。土方さん。斬っちゃいますよ」
土方「ぁ"あんっ?!!」
バチバチバチっ!
騒がしく皆個々で言い合っていて
私は少々呆気にとられながら
ふと、斎藤さんを見つめた
斎藤「局長、副長、三番組が彼女を貰い受けます」
近藤「斎藤くんか!そりゃあいい!な?トシ!!」
土方「ああ、斎藤なら適任だ。頼んだぞ。」
先程の視線を知ってか知らずか
斎藤さんの気遣いより
『斎藤組長、宜しくお願い致します』
私は今日、
三番組組長補佐となった
.