神桜鬼

□第五話
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斎藤「副長、只今戻りました」






副長への報告
彼の隣で同じく頭を下げる





土方「おう!夜月も随分様になったじゃねぇか!」

『ありがとうございます』

土方「今日は一番組と三番組が巡査だったな。お前はどうする?行くか?」

『はい!斎藤組長にお供します』

土方「頼んだぞ。斎藤」

斎藤「承知」






長い居は無用と立ち上がり
礼をして土方副長の部屋から退室した






斎藤「先ずは夕餉だ。行くぞ」

『はい!』





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広間へ行くと
副長以外の人達は揃っていて





沖田「あっれぇ?夜月ちゃん何時の間に男装になったの?」

『近藤さんのご好意で先程斎藤さんと共に買いに行ってきました』




沖田組長が
もの凄く不機嫌な顔でこちらを見る




『‥‥に、似合いませんか?』

沖田「夜月ちゃんは可愛いから何でも似合うよ!僕が一緒に行きたかったなぁ」





彼は人を呪い殺せそうな目で斎藤さんを見ていたが

当の斎藤組長は

何食わぬ顔で知らんぷりしていた




永倉「元が良けりゃ何着ても別嬪になるもんだなぁ!」

原田「ぁあ!全くだ!おい!平助、何見とれてんだよ」

藤堂「見とれてねぇし!っいや!似合うとは思うけど」

近藤「はっはっは!良く似合うぞ夜月くん!ところで斎藤くん、トシはどうした?」

斎藤「副長はまだ仕事があるそうです。夕餉は先に食べてくれと言っていました」

近藤「そうか!では、頂こう」







騒がしい食事

皆の笑声がして一人じゃないと思えた







“独りじゃない”






そう思える今が心地いい‥






(‥‥楽しい‥な‥)













藤堂「新ぱっつあん!!俺のおかずとんじゃねーよ!!!!!」

『ふふふっ』




やりとりを見ていると自然に緩む頬























斎藤「やっと笑ったな」

『え?組長?何か仰いました?』

斎藤「何も言っておらん」







だけど新たなる生活の背後に迫る闇

それはすぐそこで




(いい人ばっかり‥)




手招きしながら待っていたんだ‥

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