神桜鬼
□第七話
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??「‥美しい‥」
沖田「夜月‥ちゃん‥」
その神々しい程
美しい姿に息を呑み暫し時が止まる
沈黙を破ったのは【彼】
金色の髪の男は夜月に近付き
優しい眼差しで残酷な事を告げた
??「会いたかった‥。紗綬‥。王綬を、兄を救えず悪かった‥。お前を探していたのだ‥。琥珀に聞いた時から‥ずっとだ‥」
風間の肩から一匹の琥珀色の猫が飛び降り、夜月に寄り添う
『あなたは私を知ってるの?』
??「お前、俺がわからぬのか?!西の頭領、風間千景だ!」
『ち‥かげ‥‥』
名を聞いた途端襲われた頭痛
ズキンっ‥ズキンっ‥
心音と共に波の様に痛みが襲う
(頭が痛い‥)
『くっ‥‥ぅ‥』
砕けそうな頭痛に襲われ床に膝をつく
琥珀と呼ばれた猫が
そっと夜月の額に口づける
『ぁああああああ""!!』
瞬間、夜月は意識を手離した
風間「紗綬!」
沖田「夜月ちゃん!」
彼女を抱き抱える風間と
それを阻もうとする沖田の
睨み合いが続いた
沖田「彼女を返してくれる?」
風間「返すもなにも紗綬は鬼の姫。先程の姿を見ただろう?返せと言うのは此方の台詞だ。戦えもしない、死に損ないのお前に何ができる」
沖田「うるさいなっ!僕はまだ戦える!!」
ガキィィィィィン!!
沖田と風間がやりあっていると
ヒュッッッ!
風間「ちっ!」
風間は後方に避ける
斎藤「夜月を置いてとっとと去れ」
永倉「そいつは俺達の仲間だ!返してもらうぜっ!」
取り囲まれた風間に
赤髪の男が近寄り耳打ちをする
??「風間、此処は一旦引きましょう。彼女の居場所はわかったのです。後に迎えに来ればいい」
風間「幕府の犬共。我妻を一旦預ける。傷をつけるでないぞ。紗綬を傷つければ、新選組などこの俺が消し去ってやろう」
渋々そっと夜月を部屋に寝かせると風間は彼女に口づけた
「「「「なっっ?!」」」」
風間と側近は闇に消えた
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斎藤「次会えば必ず殺す」
沖田「一君、僕に斬らせてよ」
永倉「全くだ。絶対に許さねぇ」
怒りに燃える三人集
その隣で夜月は夢を見ていた
悲しく残酷な儚い夢を‥‥