神桜鬼
□第七話
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−池田屋ー
着くと皆物陰に隠れ
近藤局長が合図を出すまで待機
しかし暫くすると
池田屋から怪しい浪士達が出てきた
沖田「本命は池田屋の様ですね」
近藤「トシや会津藩士はまだか!」
『まだです』
沖田「このまま逃がすのは不味くないですか?」
沖田組長の言葉に局長は眉をしかめる
近藤「‥仕方ない。踏み込むぞ!」
局長の合図に池田屋目掛け
新選組隊士達が次々となだれ込む
ドタドタドタっっ−−−−−−
近藤「新撰組、詮議のため、宿内をあらためる!歯向かう者は容赦なく斬り捨てる!」
藤堂「堂々と宣言しながら入るか?普通」
沖田「近藤さんらしいじゃない。平助は隠れてこそこそする方が好み?」
藤堂「なっ!ちげぇよ!」
『頑張りましょうね!沖田組長!藤堂組長!』
沖田「夜月ちゃんは僕が護ってあげるからね!」
藤堂「無理すんじゃねぇぞ!」
『はいっ!』
********
激しい刀が太刀合う音
呑み込まれる様な暗闇
噎せ返る様な血の匂い
新選組が優勢とは言え
池田屋の中はまさに地獄だった
永倉「夜月ちゃん!無事か?!」
『私は大丈夫です!』
凄まじい力で敵を討ち取っていく夜月
その姿は女神の様に美しく、鬼の様に恐ろしかった
永倉「そうか!総司と平助が二階へ上がったきり消息がわかんねぇ!背中は俺が護る。行ってくんねぇか?!」
『二階ですね!わかりました!』
*・*
二階へ駆け上がると
虫の息の藤堂組長が倒れていて
『組長?!』
大柄の男が刀も持たずに立っていた
??「引いてもらえませんか?私達にあなたと戦う理由はありません」
『理由がない?でも此処にいるじゃないですか』
組長の血を見て怒りで手が震えた
身体が熱い‥‥
仲間を傷つけた事‥許さない‥‥
怒りに染まる
夜月の瞳の色が変わってゆく
月の光の様な‥白銀色に‥
ーー
瞳が白銀に染まった途端
夜月は刀を取り男に詰め寄った
ガキィィィィィンっ!
??「くっ!」
『‥‥‥遅い‥』
ザシュッッッ!
??「ぐぅっ!!」
避け切れない程速い彼女の太刀
男の脇腹からは血飛沫が舞い上がった
??「同胞と戦う理由がありません。ここは私が引きましょう」
そう残し男は消えて
『藤堂組長っ!!!』
夜月は藤堂の元に駆け寄った