神桜鬼

□第九話
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屯所を出て暫くだった頃





沖田「ねぇ、猫さん。風間達の元へ行くってまさか敵地に乗り込む訳じゃないよね?」

ニャー
(当たり前だろう。お前らはどうなっても構わないが、紗綬を危険な目に合わす訳にはいかない。そもそも俺がいればお前らなど必要ない!!!)




シャーッっっ!!!!!!




沖田「うっわ。いきなり怒り出したよ。‥‥君さ、あんまり夜月ちゃんにべったりくっついてると斬っちゃうよ?」




言葉などわからない筈なのに総司さんは私の肩に乗っている琥珀色の猫とこんなやり取りばかりしている




斎藤「夜月、この猫は先程なんと言ったのだ?」

『えっと、ですね、敵地には行かないと!っ』




打って変わって斎藤組長は、総司さんと琥珀色の猫のやり取りを全く無視していた




ニャー!!
(紗綬、ここだ)




山の奥の何もない平地




沖田「どこに風間がいるのさ?この猫、頭悪いんじゃない?」





ボワんっ!

刹那、いきなり猫が姿を変えた





??「なんだと?!お前、本当に殺すぞ」





琥珀の髪
紫の鋭い瞳
逞しい身体

猫は沖田や斎藤達と
同年齢くらいの男になった

直様、彼女の前に居直り膝をつき





??「紗綬様、颷極家護衛総長、琥珀、只今戻りました」

『‥琥珀‥』

(覚えていないのにどこか懐かしい感じ)






琥珀は立ち上がり

優しい微笑みを浮かべ紗綬を見つめた





沖田「ちょっと。そんなにでかい図体なのに夜月ちゃんにくっついてたわけ?」

琥珀「俺が戻ったからには、もうお前の好きにさせんぞ。沖田総司」




琥珀は瞬時に私を背に隠す




沖田「このまま僕に斬られるか猫に戻るかどっちがいい?」

琥珀「ふん!お前ら人間などに殺されはせん」




バチバチバチっ

争う2人にどうすればいいか分からず
斎藤組長に救いを求めた




斎藤「あんた達いい加減にしろ。総司、夜月に心配かけてどうする。少しは自粛しろ。琥珀とやら、結局風間はどこにいるのだ」

琥珀「ぁ‥ああ。すまん。紗綬、手を出せ」

『こう、ですか?』




手を前に突き出すと空気に穴があき
奥には屋敷の様な物があった






琥珀「この結界は紗綬や鬼にしか開けん。お前ら締め出されたく無ければ早く入れ」





沖田と斎藤が中へ入り
続いて琥珀、紗綬も中へと入って行った



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