神桜鬼

□第十話
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風間「紗綬、お前はそれでも其処の人間共と幕府の犬の元へ行くのか?」




斎藤「俺達とて幕府に彼女を渡す気などない」
沖田「こんな話を聞いちゃったら益々渡す訳にいかないよ」




『斎藤組長‥総司さん‥。
風間さん、南雲さん、私は自ら此処に来ました。進む道は自分で決めます。一度新選組の屯所へ戻ります』




風間「‥‥まぁいい。よく考える事だ。我等鬼はこの争いが終れば姿を隠す。後日お前を迎えにゆく。それまでに答えを出す事だな。出なければ連れて行く」


『はい‥‥』


風間「しかし、お前が生きていて良かった。琥珀に行方が分からなくなったと聞いてから生きた心地がしなかった。‥‥王綬を助けられず、すまなかった」

『風間さん‥』

風間「紗綬、琥珀は連れていけ。お前の猫だ」

『はい!』


沖田「げっ!僕が紗綬ちゃんを護るから琥珀は風間のところに居なよ」

琥珀「お前‥いつか必ず殺す‥‥」






********






それから私達は新選組の屯所へ戻ったが
自分の中でも全く整理ができていない

風間さん達の言葉

土方副長や皆の前で上手く話せずにいると




沖田「紗綬ちゃん!ここは説明上手な人に任せようね」



総司さんが斎藤組長を見る

組長は流暢な言葉で先程の話の内容を一語一句漏れる事なく説明した




********








藤堂「‥‥こんなのありかよ」

原田「幕府の為に戦ってきたってのに‥これじゃあもう戦えねぇよ」

永倉「‥‥全くだ」

土方「‥‥紗綬は幕府には渡さねぇ。それでいいな?近藤さん」

近藤「構わない。女子供を私欲の為に虐殺するなど、例えお上でもあってはならん事だ!」




『皆さん‥‥ありがとう‥ございます‥』




山南「貴女には私達がいますからね」

『山南総長‥』

土方「紗綬、とにかく今日は休め。顔色もあんまり良くねぇみてぇだしな」




『はい、失礼します』




********








夜、湯浴みを終えて布団へ入る
















皆ああ言ってくれたけど

このままでは

私は颷極家の皆だけで無く
新選組の皆まで危険にさらしてしまう








‥‥どうすればいいの‥‥‥‥‥‥
















涙が頬を濡らす中













“‥紗綬‥”













誰かに呼ばれる様に深い眠りに落ちた















‥‥兄‥う‥え‥‥


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