神桜鬼

□第十三話
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〜斎藤&沖田〜




沖田「ねぇ一君。少し飲まない?」


沖田は千鶴から酒をもらい斎藤の部屋を訪ねた


斎藤「ああ」




********




沖田「…なんか左之さんじゃないけど嫌になっちゃうね」
斎藤「そうだな」



沖田「…僕はきっとずっと近藤さんの隣に肩を並べて立つ事は出来ないんだろうな」
斎藤「隣…か…。俺とて同じだ。副長の隣には立てん。しかし、悔いてなどいない。副長の背を守れるならば本望だ」


沖田「背を守る…かぁ。
じゃあさ、紗綬ちゃんの事は?」
斎藤「なんだ」


沖田「紗綬ちゃんの事はどう思ってるわけ?」
斎藤「紗綬は…仲間だ」


沖田「それだけ?」
斎藤「あんたはどうなんだ」


沖田「僕は好きだよ。女の子として彼女が好き。僕が守りたいって思ってる。でも…」
斎藤「でも?」




沖田「…紗綬はきっと一君が好きだよ」
斎藤「!!」




沖田「そりゃ記憶が無い時は、ね。風間や薫の存在もあるし。でも記憶が戻る前の彼女は君に惹かれていたと思う」
斎藤「…要するに何が言いたい」


沖田「一君が煮え切らない今のままなら僕はもう遠慮しない。今、全て思い出して孤独で悲しみの底にいる紗綬を僕が支えてみせる」


斎藤「…俺は…」




思い出される彼女の姿




斎藤「…俺は紗綬を好いている。…守ってみせる」
沖田「…そう。じゃあもう迷うのやめてくれない?新選組を捨てても紗綬を守るって思わないとほんとに取っちゃうよ?」



斎藤「ああ。…譲る気はない」



沖田「僕達も珍しく意見がまとまったみたいだし、報告へ行こうか?」
斎藤「ああ」







ー斎藤ー


何を迷っていたのだろう
俺は紗綬を守りたい
それが全てなのだ
総司のおかげと言うのは癪だが気持ちが定まりよかったと思う



どんな事があっても

…紗綬は俺が守る



ー沖田ー


ほんと僕ってばお人好しだよね。結局一君の背中を押しただけになっちゃうんだ。でも紗綬が少しでも笑ってくれるなら、もう何だって構わない



そう思えるくらい

僕は君が好きなんだ…








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近藤さん達へ報告するため部屋へ向かった
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