青い彗星
□序 パンゲア
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朝夕にだけ顔を出す青い星があった。
その光を体一杯あびると、死後、そこにたどり着ける事を信じ
動植物達は、死というものに、とらわれる事なく
ただ自然の法則に従い、今を生きていた。
辺りには、シダ種の植物がポツポツと散らばっており
後はただ、黒い地面が顔を出しているだけ。
足の遅そうな、どってりとした草食動物達は
幾度となく昇る太陽の下で
ただ、シダ植物を求め
筋肉の引き締まった、こんまりとした肉食動物達は
彼らを探し求めた。
ただ朝夕に青い星が顔を出す時だけは
彼らは動くのを忘れ
頭の先から尻尾の先まで力一杯に背伸びをし
その光を身体のすみずみにまで、しみこませようとするのであった。