book-S*短編小説
□餞別
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「ヤバイ」
春になりかけのある日私が部屋で雑誌を読んでいると
何やら深刻な顔で部屋に入ってきたキラー
『…早くトイレいってきなよ』
「…」
『…何したよ』
私の冗談を無視するところをみると、かなり重大なことらしい
「キッドが…」
?
「合格した」
『…はああああああああ!?!?』
しがない私立高校の三年生
私と
キラーと
キッド
私とキッドは幼馴染みで
中学でキラーと仲良くなって
高校が別れるのが嫌で、担任の反対を押しきって少し離れた町の私立高校を受けた
みんなで受かってよかったねって
一緒に暮らし始めて三年目
秀才のキラー
見た目も中身も不真面目なくせに いつも校内一番キープのキッド
THE ノーマルな私
卒業後の進路を決めるときに
「三人でセンター受けようぜw」
キッドが言い出したバカみたいな提案
私もキラーもふざけ半分で
受かるはずのない超有名大学に志願書を出した
『受かったら私たちやばくない?』
「ばーか。受かるわけねェだろ」
「違いない」
…で、冒頭に戻ると