book*小説

□ナイトメア続
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「!」


目の端に見慣れたオレンジ色がちらりと動いた。

見慣れたあのオレンジはきっと髪を結んだその上にリボンのように可愛く結びつけられたスカーフの色だ

名無しさん…


でも、そこに顔を向けてもオレンジは見えなかった。


…どこ行きやがった?

オレンジが見えた辺りに向かって足を進める
その間にも次々と迫り来る敵。

「チッ…弱ェ癖に無駄に群がりやがって。胸クソ悪ィ野郎共だ」


軽くため息をついて 敵をねじ伏せる。


ったく…。
けしかけてきた癖に なんだこの腰抜け共?
全く戦いがいがねェ


キョロキョロと辺りを見渡す。

「…!?」

目に飛び込んできたのは、男に覆い被さるように倒れ混む名無しさん


「名無しさん!」


何やってやがる…!

駆け足で名無しさんのもとへ行くと気を失っているらしい。
いつもより白く感じる名無しさんの顔。


「……クソが…!」

キッドが勢いよく振り向くと彼の右手に集まり始める周りの金属


「キッド!その技をここでやると…!」

「うるせェ!」


キラーの制止を無視して集まり続ける金属金属

「ひぃっ!なんだこりゃあ!?剣が飛んでく!!」

「馬鹿野郎!船の中に入れ!」

「ネズミ共が騒いでんじゃねェよ!!」

やがてそれは 大きな手の形になると、
ガシャアアアァンという派手な音とともに
敵の船もろとも勢いよく叩き潰した。
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