book*小説
□あわあわ
1ページ/8ページ
今日は何やら店が賑わっている。
マスターからしたら大変いいことなのだろうが
この店でマスターとたわいもない話をしながら新聞を読むのが日課になっている私にはあまり喜ばしいことではない。
『今日はなんだか賑やかだね』
「あぁ。有難いもんだよ」
『私は静かな方が好きなんだけどな』
「お前は儲けになんないから好みにそぐわない方がいいかもな」
ニヤリと笑うマスターに軽く悪態をつき
私だけに出してくれる特別メニューのコーヒーに砂糖を入れ、新聞を拡げてから店内を見渡してみる。
確かに今日は人が多い。
それも、海賊チックな…
入り口付近に なにやら賑やかな中華風の団体様
店の奥には…なにやら独特な服装の団体様
その中心で真っ昼間からビールを呑んでいるのは真っ赤な
『チューリップ!!』