book*小説

□shopping・happening
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名無しさんが仲間になってから約1週間。
キラーの部屋には珍しくキッドが来ていた。


「俺は・・・どうしたらいいんだ!!」

机に突っ伏しキッドがいう。

「なんのことだ」

「なんのことって・・・名無しさんのことだよ!」

「まぁ、予想はしていたがな」

じゃあきくなよ!
と思ったが、口にはしなかった。

キラーは、コーヒーをいれてくると言うと。部屋をでていってしまった。


この船に来てもう 1週間は経つってのに名無しさんは一向に俺になつかない。
せっかく同じ部屋にしたってのに、夜はもっぱらキラーの部屋。

口を開けば憎まれ口・・・


俺のプライドはもうズタボロだ。



「で、なにが問題なんだ?」

いつの間にか部屋に戻って来ていたキラーが、ストローでコーヒーを飲みながら聞いてくる。


「なにがって全部だよ!!」

「ほう」

「部屋には帰ってこねぇし! 会話は喧嘩腰だし!あいつ どんだけ俺のこと嫌いなんだよって!!」

「・・・まぁ 自分を拉致するような奴に好感を持てって方が難しい気がするがな。」

「ぐ・・・」

もっともなことを言われ言葉につまる。

さらに言えば、キラーには言ってないが一日目に俺はあいつにキスをした。

・・・我ながら嫌われ要素がありすぎると思う。


「でも、俺には名無しさんがキッドの事を嫌いなようには見えないがな。」

「・・・え」

「それに、プライドの高いキッドがこんな状態になるまでに好きな女が、毎晩自分の隣で寝ててみろ。きっとかなりの苦痛だぞ?むしろ、たすかるじゃないか?」


・・・・・そうか。
今までそんな風に考えたこともなかったが、言われてみればそうだ。

「でも・・・あいつが俺のこと嫌いじゃないってなんでそう思うんだ?」


「それは・・・」

キラーがいいかけた時だった



「島が見えたぞー!!!」





今度行く島はたしか・・・冬島だったか・・・

「キラー、上陸準備だ」

そう言って俺は立ち上がった。
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