book*小説

□ぶれいくたいむ!
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なんだか今日はやけに名無しさんの機嫌がいい

お昼くらいまでは普通だったのに さっきからニヤニヤして
鼻唄なんか歌ってやがる


「何ニヤニヤしてんだよ?」

『別に〜?』


全くこいつは意味が分からない


『ねぇ、キッド!猫カフェだって!!』


キラキラと目を輝かせて俺を見上げる名無しさん

少し先には何やらかわいい建物で[猫の家]という看板が掲げてある




まさか、こんなところに入ろうってんじゃねェだろうな…?



『いこーよ!』


「行くなら一人でいけ」

『えぇ〜キッドは?』


俺がこんなところに入るわけねェだろうが!

スタスタと名無しさんを置いて歩き出すと 少し建物を物惜しそうに見ていたが諦めて小走りで追い付いてきた


『けち』

「服に猫の毛がつく」


えー そのふさふさだったら大してわかんないよー といいながら腕を絡めてくる

機嫌がいい日じゃなかったら絶対にグズってたな。


『あれ?あそこじゃない?』


口を尖らせてすねたような表情をしていた名無しさんが何かに気づき指を指した
控えめな薄いピンクで、きれいにネイルが施された指の先には一軒の酒場

俺の腕から離れて小走りに入り口まで行き、中を除くと笑顔で手招きしてきた



名無しさんのこういう子供っぽいところがまたかわいいとしみじみ思う。

…まぁ、その子供っぽいところが原因でよく喧嘩になったりするんだが。
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