book*小説
□ないとめあ
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ひーひーと笑い転げる私の腕ををキッドが掴み 自分の方に引き寄せる。
「てめェ…あんま笑ってっと泣かすぞ…」
『…!ごごご、ごめんなさい!!』
慌てて謝る私を無視して そのままひょいと担ぎ上げるとベッドの上に半ば投げ捨てるように下ろす。
『ちょ!まって!まじでごめんってば!!』
「聞こえねェな」
…この野郎(#^ω^)
『やだっ!まだ昼間…っ!』
抵抗する私の両手を頭の上で束ねると、空いている方の手は身体をいやらしく撫で上げる。
『あっ…やだぁっ…』
「もっと嫌がれ。その方がそそる」
『んっ…も…誰か来たらっどうすんの…!』
「そしたら、見せつけてやる」
キッドがニヤリと笑うとドキン跳ねる私の心臓。
そのまま雰囲気に身を任せてしまおうと決めたとき、いきなりドアが開いて船員が駆け込んできた。
「頭ァ!!12時の方向に海賊船が!砲撃してきやがりました!」
敵戦??
「…邪魔しやがって」
あふれでる黒いオーラ。
殺す…と、呟くとベッドからひょいと降りて、いつものもふもふコートを羽織る。
「名無しさんは危ねェからここに居ろ。すぐ戻る」
『やだ!私も行く!!』
何個かはずされたシャツのボタンを閉めながら、クローゼットから銃や短剣など武器を取り出す。
「遊びに行くんじゃねェんだぞ!」
『私だって伊達に偉大なる航路の猛者が集まるシャボンディの無法地帯に住んでた訳じゃないんだから!行くったら行く!』
「…勝手にしろ!」
そう言って踵を返すとつかつかと廊下を進んでいくキッド。
ん〜!最近戦ってないから血が騒ぐ♪
適当なジャケットを羽織ると急いで甲板に向かう。