book*小説
□ないとめあ
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『見て!キッドのチラシまた来たよ!』
ニュースクーから買った新聞に挟んであったキッドの手配書をとってヒラヒラとさせる。
「チラシじゃねェ」
『似たようなもんでしょ』
そう言いながらキッドの隣に座る。
『んん〜…。キッドって写真写り悪い?』
「あぁ?お前 この写真の素晴らしさがわかんねェのか?」
『うん』
まったくわからない
『だって、普段のキッドの方がずっとかっこいいもん』
ちょっとわがままで
ちょっと俺様だけど
紙の中のキッドより数百倍は男前だと思う。
『?』
ばーか
などと返ってくるかと思ったが反応がない。
不思議に思ってキッドの方に目をやると、赤く色づいた顔を隠すように手で口元を覆っていた。
…もしかして…
『照れてる?』
「うるせェ!」
私が言うと顔を背けて得意の凄み声で威嚇するキッド
『………っぷ!あはははっ!ちょっ!あははははははっ!』
いつからそんな乙女になったの(笑)
「笑ってんじゃねェぞ…!」
『だっ…だって、っぶふっ!髪赤くて、服赤くて、顔まで赤っ…ぶははははは!もーむり!!』