book*小説
□ナイトメア続
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真っ暗な闇に落ちていくような感覚。
立っている筈なのに足の裏に地面の感覚はない。
目を開けているのか閉じているのか分からなかった。
いや、多分開けているのだろうけど、何も見えない。
見えるのは黒い色だけ
「――」
遠くで声が聞こえた。
何を言っているのかは聞き取れなかった。女の人の声。
どこか懐かしいような声だった。
まぁ、どうでもいいや。
…頭が重い。体も怠いし、私 死ぬのかな
そっと目を閉じる。辺りは相変わらず真っ黒だった。
息をするのすら億劫に感じた。
どんどんと意識が遠くなっていく感じがする。
「名無しさん」
『!!』
薄れかけていた意識が戻る。
今度ははっきりと聞こえた。
耳元で囁くような声には聞き覚えがあった。
酷く懐かしい。
でも、思い出せない。
目を開けると、辺りは真っ赤だった。