book*小説

□ナイトメア続
1ページ/2ページ

真っ暗な闇に落ちていくような感覚。
立っている筈なのに足の裏に地面の感覚はない。
目を開けているのか閉じているのか分からなかった。

いや、多分開けているのだろうけど、何も見えない。

見えるのは黒い色だけ


「――」


遠くで声が聞こえた。

何を言っているのかは聞き取れなかった。女の人の声。

どこか懐かしいような声だった。


まぁ、どうでもいいや。
…頭が重い。体も怠いし、私 死ぬのかな



そっと目を閉じる。辺りは相変わらず真っ黒だった。
息をするのすら億劫に感じた。
どんどんと意識が遠くなっていく感じがする。


「名無しさん」

『!!』


薄れかけていた意識が戻る。

今度ははっきりと聞こえた。
耳元で囁くような声には聞き覚えがあった。

酷く懐かしい。
でも、思い出せない。


目を開けると、辺りは真っ赤だった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ