book-S*短編小説

□ばとん
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「何やってんだ?」


放課後の教室

私が机に寝そべって携帯をいじっていると上から降ってきた声


『ん〜?バトンやってたの』

「…人の机でか?」



顔をあげて にへっと笑って見せると容赦ない鉄拳がおでこにクリーンヒットした


『暴力へんたーい』


「変態はどっちだよ?」



私の携帯をひょいと取り上げると画面に目を通しニヤリと笑った





上に伸びた髪を押さえている黒いヘアバンドに掛かっている赤い髪をかきあげる仕草が無駄に色っぽくて、思わずドキッとする



『返してよ〜』


「俺がやってやるよ。」



『え、女子用よ?』



「俺の場合は男だから、俺だったら何言うか選べばいいんだろ」



なんか違う気がしますが?


その間にも目の前の人物は人の携帯でコチコチと入力を続ける

「おらよ」



携帯を開いたまま私の前に差し出してくるキッド


…画面掴むと汚れるんですが



「どれどれ?」
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