book-S*短編小説

□100<1
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『ねぇ、キッド』

「…」

『私のこと好き?』

「…」

『愛してる?』

「…」

『ねぇねぇ』

『おーい』

『キッド〜』

『ちょっと、キッ「うるせェ!!!!」


キッドの肩に頭を乗せるようにして騒いでいた私に怒声と裏拳がかまされる


『いたいっ!ばかっ!』

「ばかはテメェだろーが!こっちは疲れてんだよ。何回同じこと聞いたって答えねェからな!」


私の方を向いて一気にそう捲し上げるとまた私に背を向けてしまった


…そんなに怒んなくたっていいじゃん…


ただ、一言 俺も って聞きたかっただけなのに、キッドの機嫌を損ねてしまった。



そんな自分が情けなくて涙が出てきた


『…っふ…う…うぅ』


ダメだ。
涙が止まらない。

こんなんじゃ、もっとキッドに嫌われちゃう…!


涙は、止めようとすればするほど溢れてきて
泣き声を聞かれたくなくて私もキッドに背を向けた


止まれ止まれ止まれ止まれ止ま…!?


いきなり肩を引かれ私の身体はさっきと同じ方を向かされた。

目の前にキッドの顔が…と思ったらキスをされた


いきなりの事に驚き、涙も引っ込んだ


「そんな泣かなくても、ちゃんと……だから…その、寝ろ!!」


そういってまた背をむけて寝てしまうキッド

大事な部分は聞こえなかったけど、私には分かった気がした。







100の言葉より1のキス


END



『ねぇ、さっき好きって言った?言ったよね!?』

「うるせェ寝ろ。むしろ永眠しろ」

『んもうっ照れ屋さんなんだからっ♪』

「(…これから晩飯に睡眠薬混ぜるか…)」



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