book-S*短編小説
□パスタ
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「…いいか?絶対にばれたらだめだ。誰にも見られないように気を付けろ」
『イエッサー』
夕日に紅く照らされた海と窓から差し込む紅い光
そんなロマンティックな船内を抜き足差し足でこそこそと移動する二つの影
厨房の少し前の角で止まると、息を潜めて厨房のドアを観察する
ガチャ
『いった…!』
「よし!行くぞ!」
厨房から人が出ていったのを確認すると 厨房に滑り込む。
バタン!
「おまっ…ドアは静かに閉めろよ!」
『あっ!目標確認!』
「……。よし、やるぞ」
そう言うとポケットからものを取り出す。
『ふふふ…』
「くくく…」
ニヤリと笑って顔を見合わせるとテーブルの上に置いてあるパスタにポケットから取り出したものをかけていく。
『ふふふっふふっ…ふふふふふ!!』
「某七武海みたいになってんぞ」
『のんのん。あっちは"フッフッフッ"だけど、私は"ふふふ"だから』
「さしてかわんねェだろ」
『変わりますーっ!…おっと!もうこんな時間だ』
「おう。そろそろ帰るか」
ドアを少し開けて右左を見回す。
誰もいないことを確認すると また、抜き足差し足でこそこそと移動する。
『前方 オールクリア!』
「うるせェ」