日常編〜リング争奪戦

□標的1-uno
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「う゛お゛ぉい!着いたぞぉ!」




『どうも…』


屋敷に着いて自由の身になったレナは
わざわざ担がなくても自分の足で走れるわよ!と不満そうな顔をしながらスクアーロの後を付いて行った






_____


屋敷内を進んでいくと装飾が豪華な扉の前に到着した

スクアーロはノック…をせず扉を豪快に蹴り飛ばしズカズカと中へと進んでいき机に脚を乗せて書類に目を通している男に向かって叫んだ





「う゛お゛ぉい!任務のついでに使えそうな奴連れてきたぜぇボスさんよぉ!」







X「あぁ?うるせぇカス」






男はこちらに見向きもせず興味なさそうな声で書類に目を通していた






ス「てめぇ…俺の話聞いてんのかぁ!さっさと入団審査させ…「ガシャン」ぐあっ!何すんだあ゛ぁ!?」



X「うるせぇ」


スクアーロの大声が癇に障ったザンザスはその辺にあった酒瓶をぶん投げた









うわぁ、痛そう





レナは呆れた顔でやりとりを見ていた







『…あの…入団希望なのですが』







話が進まなそうなので自分から申し出てみることにした







すると書類を見ていた手が止まり
彼の真っ赤な瞳と目が合った








―とても深く惹き付ける…力強く、欲望に満ちた





なんて綺麗な赤い瞳なのだろう









それがザンザスに感じた初めての印象だった











X「ちっ…余計な仕事増やしやがってカス鮫が。オイ、さっさと10か国以上話せ」









そんな事を思っているとは知らないザンザスは自分をまじまじと見つめてくる女に渋々入団審査を始めた










『わかりました。では…』







レナは伝わるか不安だったが向こうの世界で使用していた暗号文字にあたるものを言葉にしてみた






〜5分後〜










X「ふん…話せた所で戦力にならない奴に用はねぇ。おい」






「ハッ。ボスの仰せの通りに。この妖艶な…いや小娘を丸焦げに致します。」






どこからともなくアンテナの様な物を背負った大男が現れザンザスに跪いた







言語は問題なかったって事かな

次は戦闘能力を測るみたいね…こっちのが得意だわ




レナは安堵のため息を付き腰鞘から刀を抜いた







ス「さっさと始めろぉレヴィ!」






先ほど投げられた酒瓶から回復したスクアーロは面白そうに見物していた







レ「む…貴様ボスが居る前でなんだその口の利き方は!」







X「さっさと済ませろカス」







レ「ハッ、行くぞ小娘!」






レヴィはレナに向かって背中に背負っている8本の電気傘を開き電撃を打ち込んだ






『雷は私の得意分野よ』







レ「ぬっ!?」






レナは印を結び電撃を相殺してそのまま瞬身の術で
一気に距離を詰め剣先をレヴィの喉元で止めた









『私の勝ち…』







両手を上げ降参したのを確認してから刀を鞘に戻し不敵に微笑んだ






ス「う゛お゛ぉい!相手にもなってねぇぞぉ!!」









レ「よ、妖艶・・・ゴハッ」




ついニヤけたレヴィはザンザスに投げられた酒瓶がクリーンヒットしそのままダウン









X「使えねぇカス共が…署名しろ」








部活が使い物にならず呆れた様子のザンザスはレナに向かって一枚の書類を投げた






『は、はい!』








近くのテーブルに置いてあったペンで署名し渡すと離れたところで見守っていたスクアーロに声を掛けられた





ス「これで晴れて入団だなぁレナ」







スクアーロは入団出来て当たり前だろと言うような顔をしていた






『うん、ありがとうスクアーロ。ザ…ボス、千里レナです…よろしくお願いします』





危うく名前で言いかけたがここで彼の機嫌を損ねかっ消されては堪らないのでボスと呼ぶことにした









X「で、てめぇは何者だ」






ギロリとこちらを睨みつけるザンザス






先ほどの術の事もあり何者か問われた









『私は…』





















レナは先ほどスクアーロに説明したように改めてザンザスにも話をすると納得出来ないような顔をし鼻で笑われたがそれ以上なにも聞かれることはなかった








X「おいカス鮫、全員招集しろ」








ス「チッ…後でなぁレナよぉ゛」







『あ、うん』







スクアーロはザンザスにこき使われ不満そうな顔をしダウンしたままのレヴィを引きずりながら部屋を後にした













X「突っ立ってねぇで来いカス」









『…はい!』







































______あれからしばらくの間彼の書類の手伝いをしていた











『ボス、終わりました』








X「…悪くねぇ。ついてこい」







『−!』








彼氏も褒めるんだなと感心していたら早くしろと怒られ後を慌てて追いかけた







その後招集された他の幹部達にも紹介されレナは無事ヴァリアーに所属する事になったのだった


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