日常編〜リング争奪戦

□標的29-ventinove
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雲「待ちなよ、何一人で帰ろうとしてるの」





学校を出ようとすると背後から呼び止められ振り返ると恭弥の姿があった





『恭弥!か、帰ろうかなって…』






雲「ふぅん、でもあのボス猿の元へは返さないよ」





『え、ちょ…!』




何のために君を引き留めたと思ってるんだい、と雲雀に腕を捕まれそのまま連行された














『ま、待って恭弥』








雲「ッ…何」





立ち止まると腕を引かれたのでぐいっと引っ張り返してみると一瞬顔を歪めたのを私は見逃さなかった






『足、痛むでしょ』






雲「別に、大したことないよ。ほら、行くよ」







『だめ、このまま悪化したら良くないからどこかで治療しましょ』







懐から取り出した巻物に指先を少し噛み血を垂らすとボフンッと言う音共に2mはある真っ黒な鴉が現れた



雲「わお…」





『これなら移動も楽でしょ?人目もつかないようにしとくわ』






雲「面白い能力だね本当に…」




雲雀は驚きながらも手を差し出す彼女の手を取り背中へのるとレナはニヤリと笑った




『ふふっ、バイクより早いわよ』





雲「−!」





















その後空中で恭弥の傷口を治療して家の近くだという場所まで送った







『恭弥、この辺で良かった?』





雲「うん。それに、いい気分転換にもなったよ」






リング戦が終わった直後は不機嫌そうだったが今の恭弥はどこか満足そうな表情で私は安心した




『それなら良かった。明日、また招集がかかると思うから…来てね。それじゃおやすみなさい』




雲「ふぅん…考えとくよ。おやすみ」






バサッ





レナを乗せた大鴉は大きく羽ばたき夜空へと消えていった







雲「バイクは怖がるくせにあれは大丈夫なんだねキミは…」






姿が見えなくなったのを確認すると雲雀は
大きくため息を付いて少し疲れた足取りで帰途についたのであった


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