main
□かくしごと
2ページ/3ページ
屯所に帰るとすぐに土方さんの部屋へ向かった。
別に機嫌取りに行くわけではなく、ただ顔が見たくなったから。
「総悟遅せぇよ!どこ行ってた!」
部屋に入ると急に怒鳴られた。
「まだ10時半じゃないですかィ
ガキじゃねぇんですぜ」
「バカ!そういうことじゃねぇよ。
あの天パ野郎とずっと一緒だったのか?」
やっぱりそこか。
「土方さんの心配するようなことはないでさァ。俺は土方さんだけが好きなんでィ」
心からそう思っている。
旦那のことなんて土方さんといる時は頭の隅にもない。
なのに湧き出てくる感情がある。
土方さんはそれでも眉間にしわを寄せたままだった。
「俺もう旦那とは会いません。
連絡だって取りません。だからそんな顔しないでくだせェ」
土方さんを失いたくない。
その一心だった。
「本気で言ってんのか?お前あいつに懐いてんだろ?」
「そのせいで土方さんを嫌な気にさせるなら、旦那なんてどうでもいい」
「総悟・・・」
土方さんは俺に優しいキスを落とした。