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□心中立て
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「総悟!てめぇまた夜警中に姿消しやがって!」

「ちょっとした休憩タイムじゃねぇですかィ。
土方さんも仕事ばっかしてると頭爆発しちまいますぜ?」

「お前は一日中休憩タイムだろーが!」


なんでィ
夜警中に姿見えなくなったんだから、
ちょっとぐらい心配してくれたって...。


「土方さん、遊郭とか行ったことありますかィ?」

昨日の旦那の話を思い出して
なんとなく知りたくなった。

土方さんも女を買いに行ったりすんのかなって。


「あぁ?なんだよ急に」

「いいから答えて下せェ」

「付き合いで何度か行ったぐらいだな。
金払ってってのはどうも好きじゃない。」


土方さんらしい。

モテる男は金払って買わなくても
女のほうから寄って来るってか。

「じゃあ心中立てって知ってますかィ?」

「心中立て?聞いたことねぇな。
って何やってんだ総悟。」


昨日旦那がやったように
俺は土方さんの指に自分の髪を結んだ。


「心中立て」

「だから心中立てってのは何なんだよ?」


何でこんなことしたんだろう

相手に伝えられない約束なんて
意味がないのに

俺はこの髪に何を誓えばいいのだろう

「おい、なんとか言えよ。」

「約束でさァ」

「は?」

「俺ァ死ぬまで土方さんの
側で命狙い続けてやりまさァ。
その約束。」


俺にはこんな憎まれ口しか叩けないけど
想いはきっと一生届かないけど
ずっと土方さんの側にいる

旦那がずっと俺を愛してると言ってくれたように
俺もずっと土方さんを...
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