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□never
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「土方さん、どこ行ってたんですかィ?」
1時を少し回ったところだった。
「お前ずっとここにいたのか?」
今は1月のど真ん中、天気予報では今年一番の寒さなんて言ってたっけな。
「土方さんこそずっといたんですかィ?
旦那のところに」
「お前には関係ない。
早く中へ入れ、風邪ひくぞ。」
まただ
「じゃあ、何でそうやって俺に優しくするんですかィ 関係ないって言うなら、なんで・・・」
「総悟、あいつはホントは優しい奴なんだ。
ただちょっと不器用なだけなんだあいつは」
今は暗くて見えないが、旦那のところから帰ってくるといつも手首には縛られた跡がある。
きっと体にはもっと多くの跡があるだろう。
「分かんないでさァ 俺には」
そう言った俺に
土方さんは悲しそうな顔をした。
「行くぞ。風呂でも入って寝ろ。」
いつもこの話になるとすぐ話をそらす。
「分かりやした。」
綺麗な三日月が寂しげに浮かんでいた。