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□好きでも嫌いでも
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いつも立ち寄る団子屋

沖田君はいつものように座っていた。


「またサボってんの?」

俺は沖田君の隣りに座った。


「旦那こそ仕事しねぇんですかィ?」

「したくても依頼が来ねぇんだよ。」

いつものようにくだらない会話をする。
この時間が、空間が好きだ。



「俺さぁ、沖田君のこと好き。」

俺は団子を頬張っている沖田君に言った。

「気のせいかなって思ってたけどさ、
やっぱ好きだわ。気のせいじゃない。」

沖田君は表情を変えずに俺を見つめていた。


「ありがとうございます。でも・・・
俺は旦那のこと、好きでも何でもないでさァ。」

沖田君はまっすぐ俺を見ていた。


「やっぱり沖田君って多串君のこと好きなんだよね。」


なんとなくそんな気がしていた。
いい返事がもらえるなんて思っていなかった。


でも、沖田君からは予想していなかった返事が返ってきた。

「何言ってんですかィ?
俺は別に土方さんのことだって好きなんかじゃないでさァ。」


「隠さなくたっていいじゃん。
多串君だって沖田君のこと好きみたいだしさ。」


「土方さんが、俺のこと?」

とぼけているようには見えない。
本当に分かってないのか?


「旦那、この際なんで話しまさァ。」


沖田君は小さく深呼吸して続けた。





「俺には感情がないんでさァ。」
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