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□見えない鎖
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今日は真面目に仕事をしていた。
ひとりになりたくなかったから、なってはいけなかったから。


なのに一緒に見回りをしていた山崎は土方さんからの電話を受けて急いで屯所へ帰ってしまった。


「おーきた君」


その声は俺が一人になるのを待っていたかのように・・・


すぐに逃げたいのに足がすくんで動けない。


やっと一歩踏み出した時には腕をしっかり掴まれていた。



「無視ってひどくね?」

「旦那、俺・・・今仕事中なんでさァ。」


いつもと変わらないダルそうな顔が
俺には恐ろしく見える。


「いっつもサボってるくせに。」

「と、とにかく俺、行かないと。」


それでも腕は強く握られていて逃げられない。


「何で逃げようとすんの?」

「逃げようとなんて...」

「昨日のは沖田君が悪いんだよ?
あんなに抵抗するから。」


思い出したくもない昨日の出来事が
旦那の言葉でよみがえってきた。


「今日はやさしくしてあげる。
沖田君がいい子にしてたらね。」




「だから、今からうちおいで」

旦那は俺の耳元で囁いた。
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