君の優しさ ラビュ連載物

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母さんが亡くなった。

つい、こないだ。
いや、1ヶ月前。

1ヶ月も前の事を引き摺っている俺はマザコンなのだろうか。

デジタル時計を見るともう22:00、1ヶ月前はこのへんで母さんが
「ただいま」
と言って帰って来る。
(父親とは、もう何年も縁を切っているし、お祖父さんもお祖母さんも亡くなっているので、俺は天涯孤独になった)


だが、今は……。

グゥゥゥ……

何の音だ?
ああ、俺の腹か。


悲しすぎても減るもんだな…
何か…買いに行くか…
とボーッと思っていたらイキナリ

ピンポーン

…誰だ?

ピンポーン

五月蝿ぇ…

「はい。」
ガチャ
……誰だ?このおっさん。

「君は…神田さんの娘さんかね?」

は?この野郎俺が女に見えんのか…っと言いたい所だが初対面の人にそれはまずいか。

「いえ、息子ですが…」

「これは失礼…お母さんは…今いるかな?」

……思い出させやがって…

「いえ、」

亡くなりました。
そう言おうとした所で涙が溢れた。

「…っく…」

「…?!」

「母は…亡くなりました。」

「な…!?」

おっさんも驚いてんな。
つか誰だ?この人。

「じゃあ…君は…今…」

「はい、独りです。」

「…お母さんは…いつ?」

「1ヶ月前…です。」
「そうか…。」

それだけ言っておっさんは泣いた。

いや、おっさんも…か。

「ちょっと色々聞きたい事があるのだが…お店か何か…あるかい?」

「ファミレスが…ありますよ。」

「案内…してくれないかね…色々…聞きたい…。」

「…分かりました。」
そして俺はおっさんにファミレス案内をし、色々説明する事になった。
 

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