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□だから言ったのに
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「……と、言うことで今にいたります」

感動の再会の後、フォルトナやエルレイン、自分達が一度死んで生き返ったことを一通り説明したケイリー。
ジューダスも仮面を外したまま、カイル達と一緒にテーブルに着いていた。

「なるほどね」

話を聞き終えたルーティはカップを置いて一息付く。

「まぁ、あんた達が付いててくれたなら安心だけど」

「だけど?」

「あんた達若いままでしょう。なーんかあたしだけ歳取ったみたいで納得出来ないわ」

「それは仕方ないよルーティ。カイルっていうこんな大きな子供までいるんだから」

「そうよねぇ」

流れる時間は考えていたよりも穏やかで。
まるで18年の歳月が合ったなんて感じさせないほど、当時とままのような会話。
それでも月日が過ぎた重みは確かに存在した。
ルーティも大人なったんだねなんてケイリーが失礼にも考えていると、ルーティが突如ニヤリとジューダスを見た。

「それにしてもケイリーはいいとして、リオン」

「なんだ?」

主にケイリーが話していて、積極的に会話に加わらなかったジューダスは突然向けられた質の悪い笑みを浮かべる姉の顔を怪訝に見やった。

「あーんた、ずいぶんと素敵な趣味になったじゃない」

「ほぅ、なんのことやら」

「とぼけるんじゃないわよ。この骨よ骨!」

白を切るジューダスだが、ルーティは傍らに置いてある仮面を指差す。
ジューダスは一瞬苦虫を潰したような表情をしたが、すぐいつものすまし顔に戻した。

「それは仮面だ」

「どう見たってただの骨じゃない。顔なんて隠れてないんだし」

「あ、やっぱり母さんもそう思う!?」

オレもそう思ってたんだとルーティの言葉に頷くカイル。

「それにこんな骨被って街の中を歩いてたって、っあっは、あははははは」

「ちょっと、ルーティ!?」

「あはは、だめ、もうガマン出来ない、あはは、あはははは」

突然笑い出したルーティ。
ケイリーもここまでの道中で予想はしていたが、話している間はそんな気配がなかったのですっかり安心していた。
しかし、一通り話を聞き終わり安心したルーティはついにお腹を抱えて笑い出したのだった。
ケイリーとロニはやっぱりと深々と溜息を付く。
当の笑われているジューダスはふるふると拳を握って耐えていたが、あまり沸点の高くない彼もまたすぐに剣を抜きかけたので、慌てたカイルとナナリーによって押さえられるのだった。




だから言ったのに




神のたまごが出現されるまでの数日。
顔を合わすたびにジューダスはルーティに笑われることとなるのだった。



2013.3.26 沙良
拍手掲載 2013.3.26〜5.1


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