続・妄想

□何故だか
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「最近、ずっとお侍さんのことを考えてるんだ。阿伏兎、俺はおかしくなったのか?」

「あぁ…ここんとこ話しかけても上の空だもんな団長。あんま変なモンに興味持つの勘弁して下さいよ。仕事してくれなきゃ困…」

「俺、ちょっと行って来る!!」

「ちょっ、団長っ」


神威は今居た建物の窓から飛び降りて万事屋へ向かって行った。


「ありゃ…聞いてねェな。少女漫画の恋したヒロインじゃねェんだからよ…。恋したヒロイン…団長…まさか本気で好きになったり…」


阿伏兎の勘は的中していた。当の本人は、そのことには少しも自覚がなかったが。


ピンポーン


――――


万事屋のチャイムが鳴る。


「あーい…今開けま…「お侍さんっ」うぉっ!」


オイオイ…何だコレは…何でコイツがここに居んだよ?何で抱き付かれてんの俺。
俺は何も出来ないで、抱き付かれた勢いで後ろに倒れないように踏ん張っているだけだ。何だマジで。殺りに来たのか?少しすると離れて、


「お侍さんの匂いがする…」


と呟いた。
なんか気持ち悪ィんだけど…。オッサンの体臭だろ?俺は全く状況が掴めない。


「お…お前…何しに来たんだよ…?殺りに来たんならちょっと待てよ…銀さんまだ準備が」


俺がおどおどしながら喋っても、神威は俺の着流しの襟を掴んでそこを見つめたまま、俯いて動かない。コイツと居た時間なんて、戦闘したときだけ。無に近いが、とにかくまァ、こんな神威は初めて見た。俺がもっと若ければ、それで神威が女だったら、

「寂しかったから会いに来ちゃったの…」

みたくなってる。って性別変えりゃどうにでもなるだろ、と一人心の中でツッコミを入れる。最終的に、俺はどうすればいいのか分からん訳だ。万事屋銀ちゃんピンチ。今までこんなことはジャンプではなかった。直接乳を、あくまで事故で触ってしまったり、まァそんなのはあったが、本格的に抱きつかれた時の対処法を、俺は知らない。

…って喋り過ぎた。もういい。こっちから何かアクションしないと始まらないらしいな。
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