続・妄想

□狭間
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「山崎、抱かせろ。」

「あっ…やめてください副長…っ」


土方は時々こうして、山崎を抱いた。ストレス発散の為なのか、性欲処理に過ぎないのか、それとももしかして愛のあるものなのかなんて山崎は知らないし、別に知ろうともしなかった。


「あっ…あぅ…」


上司の命令。
ただの性欲処理道具だとしても、大人しく抱かれる。それも仕事のうちだろうと思っていた。
一応抵抗らしき行動はするのだが、そうしたところで土方がすんなりと自分の発言を聞き入れるとも思わないし、第一土方は山崎がどうしようと無理にでもヤる。ここは本気では抵抗しないのが一番の対応策だ。
本気で抵抗しないなら最初から大人しく抱かれればいいじゃないかと言えば、そうではない。自分がほぼ勝手に抱いておいて、抵抗を見せないと土方は

「淫乱だな」

なんて言い出す。そこはさすがに山崎のプライドが許さなかった。
だから、少しだけ、嫌がる"フリ"をする。
でも、そのフリすらする隙もなく山崎を抱く人間が居た。


「おっ…き…隊っ…もうやっ…あァッ」


沖田だ。沖田もまた同じように山崎を抱いた。抱くというより最早犯すのレベルだ。土方ならまだ思いやりらしきものを感じて取れたが、沖田にはそんな気持ちは微塵もないだろうと山崎は確信していた。次の日に仕事をするのも億劫になる程、激しい抱き方を山崎はされた。
二人同士が山崎を抱くのを既知の事としているのかどうかは山崎は知る由も無かったが、知ってか知らずか片方が都合が悪い時に、片方が抱く事が多かった。
土方は自分の部屋に山崎を呼び出すが、沖田は予告も何も無しに山崎の部屋に押し掛け犯す。それが、山崎と二人の間の暗黙の諒解であった。
今日は、土方からの呼び出しがあった。抱かれる時と、本当に仕事の場合もあるのだが今日は前者、行為の方であった。
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