続・妄想
□これまでの …動物編
1ページ/13ページ
銀時を怒らせてしまってからそう日は経っていないが、坂本は再び万事屋を訪れた。
今回持って来たのは、一見何の変哲もないペロペロキャンディー…。
――――
「押していけば銀時はきっと怒ったりせんじゃろう」
坂本は遂に学び玄関でチャイムを鳴らす為にそこを押した。だが、
「――――。」
音がしない。
「なんじゃ?鳴ったがか?」
外には聞こえないようになっているのか、音は坂本の耳には届かず、かと言って中から足音が聞こえる訳でもない。
「………?」
押せていなかったのかと、もう一度押したが何も変わらなかったので、結局坂本はいつものようにそのまま万事屋へ入って行った。
「金時〜、居らんがか〜?」
「……え?」
「なんじゃ、おったぜよ」
「お前…この前のことはもうきれいさっぱり忘れたのかよ。ハムスター並みの記憶力だなオイ」
呆れ顔の銀時が部屋の奥からやってきた。
今日は一人らしい。
「わしゃちゃーんと押したぜよ、そこを」
「でも鳴ってねェよ」
「いいや、押したぜよ」
坂本は玄関に向かいチャイムを押した。が、
「――――。」
やはり音がしない。
「アレ」
「…壊れちょるぜよ」
今回ばかりは銀時がいけなかったようだ。
「嘘じゃん」
「本当じゃ」
「え…あー…ごめんなさい」
今回のショートコントのボケは銀時だったようだ。今銀時が謝ったばかりだが、今度は突然坂本が謝りだした。