続・妄想
□これまでの …玩具編
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「銀ちゃん、意地悪しないで早く家に入れてあげればいいアル。何でそんなに怒るアルか?あ、分かったネ。モジャモジャが来て嬉しいから照れ隠ししてるアルな?」
「はァ!?違ェよ!!」
「あっはっは、そうなんか?金時」
「だから違ェってば!!こんな名前間違う奴!」
坂本は銀時と話していても全く怪しまれるような素振りは見せないのに、銀時は面白い程分かりやすい反応をする。
「冗談ネ。そんなのいいから私お土産食べたいョ。家に入れるアル」
最も、神楽は冗談だったらしいが。
「そうですよ。玄関でこんな…ね?」
喚く銀時を落ち着かせた神楽と新八の意見のおかげで、坂本は万事屋に入る事ができた。
しかし、銀時にとってはかなりマズかった。神楽は妙に勘が良いようだし、このまま自分が坂本と会話していては新八だって関係を疑ってもおかしくない。
だから、
「……〜のう?銀時?」
「知らねェっ」
坂本が気を使って話を振っても、銀時は離れた場所でずっと怒った態度をとり続けた。愛想悪くしていれば、かえって変に怪しまれる態度をとらなくて済むと思ったのだ。
しかし坂本や新八や神楽にとっては、何故銀時がこんな態度をとるのかは謎でしかない。
「もう、 銀さんったらどうしたんですか」
「銀ちゃんも早く食べるヨロシ。美味いアルよ?」
銀時より大人らしい態度の新八にも、坂本の菓子を殆ど一人で平らげた神楽にも、どうしようもなかった。
銀時が口を開いたのは暫く時間が経ってからで、
「新八、神楽、悪ィがちょっと…外に出ててくれねェか。コイツに話がある」
「え?あ…はい。分かりました」
「すまんのう…出来るならそうして欲しいぜよ。…わしがピンポン押さんかった所為じゃ…」
「モジャモジャは悪くないョ!今日は銀ちゃんがおかしいアル!それじゃ、私遊びに行ってくるネ!ホラ、新八も早く行くアル」
「う、うん。坂本さん、失礼します」
こうして、やっと坂本は銀時とまともに話をすることが出来るようになった。