パラレル
□『届かない想い』
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その部屋のドアの前にあるソファで貴方は眠っていた。
「初めまして、ロイ様、エドワードと申します」
とりあえず自己紹介をしてみたけれど、起きる気配は無い。
(・・・具合、悪いのかな・・・?)
エドがそろそろと、なるべく音を立てない様にソファに近付くと、ロイが目を覚ました。
「・・・ああ、お前か、『特別に作らせた人形』ってのは」
漆黒の髪と夜色の目を持つ人─ロイ・マスタングは気だるそうに起き上がりながら、私に向かってそう言った。
─この人には時間が無い。だから私が創られた。この人に残された独りで居ることの出来る時間を私が慰める為にと。