スタウル☆
□何もない宇宙の片隅で
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ここは何処?
何故私はここにいるのだろう?
何処も真っ白で何も見えない。何も・・・。
「・・・アンジュ」
誰かが私の名を呼んでいる。
誰が・・・?
「アンジュ」
その声は遠くでもなく近くでもなく、響き渡るような少し大人びた声。
その声の先に誰かが立っていた。
「・・・貴方は誰?どうして私の名を・・・?」
「・・・私は、未来の君の全てを知る者だよ」
「未来から来たんですか?」
「そうだよ」
彼はそう言った。
物怖じを知らないアンジュは警戒心も持たず、沢山彼に話しこんだ。
「・・・ライラットの[英雄]の話はもう聞いたかな」
「・・・うん。アングラー皇帝を倒した[英雄]は自らの意志で遊撃隊を解散し、恋人と一緒になったって話・・・」
「・・・そうか」
「解散してしまったのは悲しい事だけど、恋人と幸せになれた事はいいことですよね」
「恋人・・・。アンジュ」
「何ですか?」
「君の行動次第である二人の恋人が不幸になってしまうんだ」
「え・・・?そんな!!私はどうすればいいのですか!?」
「・・・パパを、好きにならないで」
「え・・・それはどういう・・・」
「これ以上の好きにならないで。今のままの好きでいて・・・」