短編小説ⅰ
□彼女からのチョコが欲しい
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「ねぇ～、景吾ってば～！！」
バレンタイン。
「聞いてるの？景吾？」
恋する者には欠かせないイベント。
「ゴメン、って！」
恋人同士の二人にとって重大なイベントだ。
「景吾ぉお！！」
そんな重大なイベントを忘れるか！？
ありえねぇーだろ！！
恋人がいるのにだぞ！！
俺様という完璧な彼氏がいながら、バレンタインを忘れるなんてありえねぇーだろ！
「ゴメンね…景吾…本当にゴメン…」
２月１４日の昼。
いつも通り、俺は生徒会室で翼と昼飯を食べる予定だった。
バレンタインだからと言って、彼女である翼との日課は欠かせない。
しかし、バレンタインというのは事実だ。
俺だって彼女からのチョコぐらい期待する。
彼女からのチョコがあれば、他のチョコなんてどうでもいい！
そんな風に思っていた俺が、どうして彼女でもない女のチョコを食しているか…。
簡単なことだ…。
彼女である翼が、バレンタインというイベントをすっかり忘れて、
チョコを持ってこなかったからだ！