短編小説@
□チョコレートは甘くて苦い
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最近、なんだか侑士に避けられてる気がする…。
「ゆうしー!!」
廊下を歩く侑士を見つけ、叫びながら駆け寄った。
もちろん、そのまま侑士にダイブだ!
「翼!?」
いきなり飛び込んできたことに驚いたようだが、なんとか受け止めてくれた。
そして、いつものように頭を撫でてくれた。
「どうしたん?そないに急いで…」
やっぱり、侑士の手は大きくて気持ち良い。
「侑士が見えたから…」
「それだけ?」
「うん、それだけ」
「さよか」
それだけ言って、ポンポンと私の頭を軽く叩くと侑士が私をさり気無く離した。
「ちと用事あるさかい、またな」
侑士は軽く手を振って、去って行った。
「何よ…侑士の馬鹿眼鏡」
最近、ずっとこんな感じだ。
侑士は私の相手をしてくれない。
構ってくれない。
もっと侑士とベタベタくっ付いていたいのに…!