短編小説@
□30cmの距離
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私にとって一大事だ!!
身長148cm、中学3年生にしては小さいほうかもしれない。
でも、まさかお姫様抱っこされるほど小さいとは…!!
しかも、一つ下の後輩に!!
「翼、なんで鳳にお姫様抱っこなんてされたん?」
「…いや、なんか…ノリ?…かな?」
「そもそも、何で鳳なん?なんで俺とちゃうん?」
「そのときに居たの、宍戸くんと鳳くんだけだったし…」
「宍戸にもされたんか!?」
「ま、まさか!!」
あれ…?なんか、会話が噛み合ってない気がする。
…っていうか、何より大変なのは…私の身長だ!
「ちょっと侑ちゃん、真っ直ぐ立ってくれる?」
「あ?ええよ?」
思考回路を邪魔されたように顔を顰めた侑ちゃんは、ちょっと呆れ顔で真っ直ぐ立つ。
私は、背中に回りこんで同じように真っ直ぐ立った。
…この感じ、侑ちゃんとの身長差を実感してイヤだ。
「ん、もういいよ」
「どないした?」
「私、やっぱ小さいかな?」
「まぁ…ちっこいほうとちゃう?」
「………」
「翼?」