D*NOVEL

□囲
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さらさらと。

窓から覗く狭い空間には薄桃色の花弁が舞い散る。

その切り取られたような美しい空間に似つかわしくない、窓に
架る鉄製の格子のなんと無粋なことか。


ああ今は春なのだ。

あれからどれだけの時間が過ぎたのか。
あのときはたしか紅い、椿の花が咲いていた。
ここはすべての時が、止まっているようで。






「あ、あぁ…っ」

ぐち、くちゅ


蝋燭のほのかな明かり。
濡れた声とねばつく音が響く。
そして、獣じみた荒い息遣い。

「あっ、あ、痛、いやあぁ…」

震える指先が、畳を掻き毟る。

「ハ、嫌って言うわりにはお前のココは濡れてるぜ?」

ぐりっと、男の腰が娘を更に抉るように押し付けられる。

「ひあっ!?あ、あぁあっ」

後ろから中を無遠慮に割り込んでいる熱い楔が、奥深く。
細い肢体が、がくがくと震える。

「幸村、言えよ、気持ちイイって」

男―――政宗は体を屈め、幸村の耳元で囁く。

「あっ!?あ、あ、やぁあ…っ」
屈んだことにより、違う角度で中をこすられ、幸村ははらはらと涙をこぼしながら頭を振る。
身に宿る熱を振りきるように。

しかしその熱を与える男は容赦なく。

「素直じゃねえな。こっちは実に素直だってのに」

柔らかな入り口を撫でる。

「やっ」

「ハ、わかるか?俺を離したくねぇってキツク咥え込んでんだぜ?」
もっと欲しいんだろう?
「そ、のような、ことっ!あ、あぁもう…っ」

敷かれた布団に頭を擦りつけ身悶える姿に、政宗はひどくそそられる。
もっと。
もっと狂え。
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