黒バス。

□楽にさせてあげる。
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「黒子っち!!これどうぞ!!」

公園のベンチで読書に耽っていればいつもよりハイテンション、いや、通常運転な黄瀬君がボクにバニラシェイクを渡してきた。嬉々とした顔で。

「……ありがとうございます」

もちろんバニラシェイクは大好物だからもらって嬉しくないわけじゃない。
むしろ嬉しい方だ。
当然、目の前に出されたバニラシェイクは受け取った。
しかし、受け取ったはいいものの、いつも何かしら黒子っち、黒子っちとよくもまぁ飽きずにボクに付きまとっている黄瀬君。
彼が何も考えもなしにボクに物を与えるとは思えない。きっとバニラシェイクを飲んだ途端、「今バニラシェイク飲んだんで、俺と付き合ってくださいっス♪」なんて言われるかもしれない。……いや、ボクの考えすぎなのかもしれないが。それに黄瀬君が正直そこまで考えるとは…考えるかもしれない。
彼は変なところが頭いい。その頭を勉強に費やせば成績なんて中の上にはなるのではないと思うくらいだ。
まぁ、変なところで頭がいいからこそモデルなんて職業が出来るのかもしれない。
そんな“かもしれない”話は置いておいて、今はこのバニラシェイクについてだ。
喉も乾いていて後数ページ読んだらマジ
バへ行ってバニラシェイクを買いに行こうとちょうど思っていたので好都合だった。
…でもこのシャラ顔は正直腹が立ちます。
せっかくの好意でもあるのだから、と思いバニラシェイクを飲むことにした。
相変わらず、マジバのバニラシェイクは最高だ。

「黒子っち、おいしーっスか?」

今までボクの様子を隣に座り黙って見ていた黄瀬君が輝かしい笑顔で聞いてくる。
毎日行ってもいいほどにボクが絶賛するマジバに売ってあるバニラシェイクだ。
当たり前のことながら美味しいわけで。

「美味しいですよ」

そう言ってまた一口飲む。
黄瀬君は相変わらずボクをじっと見ていた。
正直、気になって飲みづらい。
一体黄瀬君は何をそんなに見つめているんでしょう。
不思議でたまらないので本人に直接聞こうと口を開く。

「あの、黄瀬く―――ッ…!?」

突然、身体が熱くなる。
激しい運動も何もしていないのに息苦しく、肩で息をする形になる。
このままではダメだと思い、息を整えようとしても身体の熱は増すばかりで息苦しいままだ。
顔は鏡で見るまでもなく赤くなっているだろう。
そんなボクを前に、目の前にいる黄瀬君はニヤっと笑う。

「よかった。ちゃんと効いた
みたいっスね…?」

――――え?

効いた?

何が、なのだろうか。

もしかして…と、はっとした顔をすれば肩を引き寄せられ、黄瀬君の顔が近付く。

「黒子っち、今身体熱いんじゃないっスか?」

…楽にしてあげるっスよ?
耳元で囁かれ、吐息が掛かりビクッとする。
その隙に、唇に柔らかな感触。そして、口内を犯す黄瀬君の舌。

「んんっ……んぅ――ッ!」

熱のせいで身体にうまく力が入らず、抵抗が出来ない。
外だというにも関わらず、黄瀬君はボクにディープキスをかましてくる。
唯一の救いは周りに人が居なかったことだ。
しばらくして十分堪能したのか、ようやく口を離される。
それでも身体の熱は消えることなく、むしろ先ほどよりも熱くなってしまった。息も絶え絶え、身体の力が完全に抜けてバニラシェイクも落としてしまったし、黄瀬君の肩に寄りかかってしまった。

「ふ、はぁっ……はぁ……な、にを……ッ」

「ごめんね黒子っち。バニラシェイクの中に媚薬いれちゃったんス。」

謝罪の言葉を述べているのに、反省の色は全くない。
まだ息が苦しい。
一刻も早く、解放されたい…。
そんな言葉が届いたかのように、黄瀬君が囁く。

「大丈夫っスよ。俺が黒子っちを楽にしてあげるっス…」



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