Falsehood

□Looking on
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「…芥川さん」

「…………」


「芥川さーん…」


「(めんどいなまったく)

…何?」


「いえ、宍戸さんが芥川さんを探していたので」



「え?亮ちゃんが!?

今すぐ行くC〜!」



ジローは急いで宍戸の方へ走って行った。




「…態度違いすぎでしょ」


鳳はそんなことをボソリと呟く。


うん。

いつも通りだね。


俺はいつも彼らを観察してる。

もしくは、傍観かな?

準レギュになってからこれが俺の習慣になってきた。




「な〜日吉〜」


「なんですか向日さん」


「亮って嫌いな奴にも態度変えないから凄いよな!」

「…向日さんは変えすぎなんです」


「え?変えてねーよ」


うん、そうだね。


嫌いな奴と話してるけど、岳人は態度を変えてない。

日吉もそうだけど、皆結構凄いと思う。


ま、俺個人の見解だけど。




それに俺は宍戸が誰が嫌いかを解っていないから何にも言えないし。


一応テニス部の人間関係は把握してるつもりだけど、宍戸だけは解らない。


まぁ、俺は常に把握していなくちゃいけないわけだけどね。



でも、本当に宍戸は誰かの陰口を言ったりしない。



もしかして嫌いな人がいないのか。


とか考えてみたりもしたんだけど、さっきの岳人達の会話から考えると、それはあり得ない。



宍戸が誰のことが嫌いなのか。


知りたい。

この部活の人間関係を全て知りたい。

だから俺は、


今日もこれらを観察するんだ。




Looking on




俺は、いつまでこの立ち位置にいられるのかな。


もしかしたらすぐに加害者になるかもしれない。


被害者になるかもしれない。


このままなのかもしれない。


どうなるかは解らない。


俺のことに気付く奴は居るのかな。


彼かな。
あいつかな。
それともあの子かな。



とりあえず今は、


観察第一。



観察して、

・・
彼らに報告。

楽しみだ。



これからどうなるのかな。




(さあ)
(俺にもっとせてくれ)
(その関係を)

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