短い妄想物語
□チョコレートケーキを君に
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がっちゃーん!!
溶かしたチョコレートが入ったボウルが
けたたましい音をたてる。
「もう何やってるのよ!」
生クリームを泡立てている姉貴が文句を言う。
「手がすべったんだよ!!」
ボウルを拾いながら言い訳する俺。
「チョコは無事?」
「ちょっとこぼれただけだ」
「ならよかった。気をつけなさいよ」
そう言って生クリームを泡立てる作業に戻る。
ただ今姉貴とお菓子を作っている。
なんでそんなことをしているかというと
明日はバレンタインだからだ。
姉貴がお菓子を作るのはいいとして
なんで男の俺がケーキを作っているのかというと
明日はバレンタインかつ俺の彼女の誕生日だからだ。
プレゼントをあげるだけじゃつまらない。
何かあいつを驚かせられるようなことをしたかった。
それでバレンタインに便乗して
姉貴に手伝ってもらいながらあいつの好きなチョコレートケーキを作ることにしたんだ。
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