稲妻11

□恋のビートなんか知らない
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私の言葉に先輩は一瞬眉をひそめて、壁にもたれ掛かり再びリズムを刻みだした


無理もない


どこの誰かわかんない人が来て、いきなり

弟子にしてください

だもんね


でも私はくじけない!

『私、苗字名前って言います!サッカー部での先輩の活躍、拝見してます!…私もあんな風にリズム刻みたいんです!弟子にして下さい!』

「…」

先輩は黙ったまま、人差し指でリズムを刻んでる

もしや!これは、無言で"見て学べ"って言っているのか?!


私は先輩の隣に行き、先輩を真似た

『先輩と私、腕組む手が逆だから真似、難しいなぁ』

その時、先輩の指が止まった

『…先輩?』

「君に横でそうされているとリズムが刻みにくい…」

そう言って私に背を向け、歩き出した

先輩、怒っちゃったかな…


私が落ち込んでいると先輩が振り向いた

「…弟子になるのは断っていないから」

それって…


それって…!!!


『一生ついて行きますっ、師匠!!』





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