稲妻11

□いっそ消えてしまおうか
2ページ/5ページ

ある日、名前ちゃんと会話(と言ってもほぼ一方的にだけど)していると、彼女は言った


『なんで私なんかに優しくするの?』

「…優しくなんかないよ、ただ名前ちゃんとお話したいからしてるだけ」

なんて言いながら内心は"キミが好きだから"なんて思っていた


『私…どうせすぐ死んじゃうんだよ?』

「死、ぬ……?」

『病気なんだ。でも病名も何もかも教えてもらえなかった…親は"激しい運動さえしなかったら"って言ってた。でも私きっとすぐ死ぬ。そう思うの』

そう言って彼女は弱々しく笑った

ああ、そっか…
違和感を感じた原因はこれだったんだね

そして、そんな彼女を僕は守りたいんだ



「…そんな事言わないで!もっと1日1日を大切に過ごそうよ、一緒に!」


『ありがとう、吹雪くん……でも、もう私と会わない方がいいよ、きっと』

「嫌だ、僕は名前ちゃんが嫌がっても会いに行くよ」

『やめて……そんな事されたら、私…吹雪くんの事……もっと好きになっちゃうじゃん』

同じ気持ちだったんだね

「僕も名前ちゃんが好きだよ」



次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ