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□イエローカード
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「お前に会いたかったぞ、名前」

「ザナーク…」

ザナークとの試合でボールをカットした。ただそれだけ。…なのに。

「あれから俺の気持ちはもうお前に向いている!付き合え!」

「えっと、とりあえず…みんなの所に帰りたいな」

「何だ?せっかく二人きりになろうと連れ出して来てやったのに」

とんだ迷惑だ。頭を抱えていると神童先輩達が迎えに来てくれた。

「苗字!大丈夫か?」

「みんな!ありがとう!!」

「お前ら何しに来た?俺は名前と愛を語り合ってたんだ、邪魔するな」

ザナークは私の肩を抱いてきた。

「ザナーク!苗字を返せ!」

「弱い奴ほどよく吠える…俺は強いがよく吠える」

「なんだとっ?」

「みんな!ザナーク!喧嘩はやめてよ!」

「名前が言うなら仕方ないな…それより邪魔が入ったから場所を移すか」

「えっ?ちょっと!」


あっという間にザナークに連れ去られてしまった。私の意思はまったく無視だ。





「…それで、どうすれば俺と付き合うんだ?」

「どうすればって…私、ザナークの事よく知らないし好きじゃないし」

好きじゃない。それで諦めてくれると思った。
でもザナークは。


「じゃあ知ってもらえばいいんだな!」

満面の笑みで言った。
その顔は初めて見る顔で、不覚にもときめいてしまった。

「そういう意味じゃ無いんだけどな…」

私の呟きはザナークには届いていないようで一人で張り切っている。

「そうだな!お互い知らない事が多いよな!名前と深くなろうじゃねぇか!」

「あの…深くなる、って?」

「そりゃ、まずはデートだな!」

「デート?」

「ああ、また迎えに来るぜ!俺がいい場所に連れてってやるからな」

楽しそうにそう言うので何処に連れて行ってもらえるのか少し楽しみになった。

「期待してるね?」


「俺様に任せとけ!」






そんな無邪気な笑顔は反則!




(こんな綺麗な海を知ってるなんて、意外)
(名前と居るから今日はいつも以上に綺麗だ)

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