リセス

□美化じゃない恋心
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休み時間


校庭のゴミ箱の近くにマンディーを見つけた


いつも転校生の私をマンディーはからかってくる

それにしても


「何であんなとこに居るんだろう」


私は気になってマンディーの元へ行くことにした


「マンディー、何してるの?」


マンディーの横には背が高い男の子が居た

二人で遊んでたみたい


マ「なんだ、日本人かよ」


「だから私は名無しさんだってば」


マ「何だって良いだろ、それより何しに来た?」


「特に何もないけど…」


ふと壁を見るとフィンスター先生の似顔絵が描いてあった


「すごいっ!似てる!!これ、あなたが描いたの?」


私は背の高い男の子に聞いた


ス「まぁな」


マ「おいスキーンズ、こいつに構ってないで行こうぜ」


ス「あ、あぁ」


スキーンズって言うんだ


絵、上手いなぁ


なんて思ってたらいつの間にか一人ぼっちになってた


「マンディーったらひどいなぁ」




―次の日


スキーンズが気になった私はまたあの場所へ行くことにした


「スキーンズ」


ス「…なんだお前か」


「だから私の名前は名無しさんだって…」


って言っても昨日初めて会ったし名乗ったのなんかほんの一瞬で

覚えてないのも無理ないか

なんて思ってたらスキーンズは


ス「知ってる」


目をそらして言った


覚えててくれてたの?

少し恥ずかしくなった私は壁に視線をやった


「今日もフィンスター先生?」


ス「何だっていいだろ!」


「あっ、ねぇ!私の似顔絵描いてよ!」


ス「は?!やだよ」


「お願いっ!!」


私の突然の思いつきにスキーンズは少し困った顔をして


ス「仕方ねぇな…今日だけだぞ!」


と言って壁に描きだした


「ありがとう!」


スキーンズって不良なんだろうけど


「優しいよね」


ス「え?」


「スキーンズはマンディーと違って優しいし…いい人なんだね」


ス「…うるせぇ」


そう言ったスキーンズの顔は少し赤くなっていた気がした




ス「出来た」


しばらくしてスキーンズがそう言ったので壁を見てみると


「わぁ…すごい…っ!」


美化された私の似顔絵が完成していた


「本物より可愛く描きすぎだよ」


ス「そんなことないだろ、むしろ本物より変になったと思う」


スキーンズにとって私の顔はど
う見えてるんだ?
明らかに美化されているのに

そんなことを考えると顔が熱くなる


「あ、ありがと…ところでっ!今日マンディーは?」


ス「今最高に悪いことを計画してるからしばらく来ないと思う」


「そうなんだ」


ス「名無しさんはマンディーが好きなのか?」


「え?好きなんかじゃないよ!…マンディーなんかより優しいスキーンズの方が好きだよ」


そう言ったと同時に心拍数が早くなっていく


やっぱり私スキーンズの事が


ス「っ?!お前…そうゆう事はあんまり言わない方が…」


スキーンズの顔は真っ赤だった


「何で?駄目なの?」


ス「だって、ほら、そうゆうのは本当に大切な人に言うことだろ?」


「だから言ったんだよ?スキーンズが好きだから」


ス「名無しさん…」


スキーンズは驚いた顔で私を見ている


「スキーンズは?私の事嫌い?」


ス「いや…あ、そろそろ休み時間終わるよな、じゃあまた」


スキーンズは慌てて教室に帰っていった


私もしかして嫌われちゃった…?




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