BL短編の小部屋

□続 存在理由
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『もっと……もっと……君をちょうだい』


センセーは俺を奥へ奥へと蓄えながら、更にと催促する。

最奥に突き刺し、もうこれ以上なんて不可能なのに、俺はあなたの中に突き進む。


『センセ……突き破っていい?』








   







「来月俺の誕生日なんだ」


音楽室。

センセーに抱き付きながら、その柔らかい髪に顔を埋め囁いた。


「18?俺より8つも若いよ」
「……そうだよ」


言葉もそこそこに、俺はズボンから引きだしたシャツをたくし上げ、滑らかなセンセの肌を撫で回す。

サラサラとした感触は、あっと言う間に熱を帯びて汗ばんだ。


「……脱がせていい?」
「ダーメ……授業始まるよ」


楽しそうに笑って、彼は俺の体を引き剥そうとするけど、それが本気じゃない事は、判っている。

誘う様に、彼のそこはちゃんと反応してくれていた。


「授業なんてどーでもいいよ……」
「そんな訳にはいかない」


聞こえない振りで、ベルトに手を掛け外し始める。


「ほんとにダメだって――」


聞こえない聞こえない……


「生徒が……来ちゃう……」
「もう少しだけ……センセだって欲しいでしょ?」


彼自身を握り込むと、小さく『うっ…』と息を洩らし、センセは俺を見上げた。


「……困るよ……」


殆ど吐息だけの声で囁くから、仕方なく俺は手を止めた。

これ以上続けたら、センセーも俺も止まんなくなる。


「帰りに、センセイん家、行っていい?」
「ダメって言っても来るんだろ?」


そんな顔して言ったって、信憑性は皆無だ。

まだ熱の残るセンセイの目は、心なし潤んでいて、明らかに俺を欲しがってる。


「ダメなんて、言えないくせに」
「君って頭いいね」


純粋なんだか不埒なんだか判らないセンセイは、絶対に俺を拒まない。


「そーだよ、俺結構頭いいんだ」


あなたの愛がまやかしだって、ちゃんと判ってる。

だからあなたは俺を拒めない。
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