BLシリーズの小部屋

□ もり&聖シリーズ初めての夜
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覚えているのは、体を引きちぎられる様な激しい痛みと、壊れたみたいに繰り返される掠れたあいつの声だけ。

―――アイシテル……







2人分の動きでグシャグシャに依れたシーツを、手の色が変わる程強く握り締めていた。

獣みたいに洩れるその息がひどく愛しい筈なのに、なんで俺の震えは止まらない?

――タスケテ……

その手で俺を掴まえて。
目を開けてぼやける視界に、やっぱりジワッと霞むあいつを映せば、苦しそうに歪む顔で俺を見下ろしていた。


「怖い?……それとも痛い?」


たぶんどっちもだ。
たった指一本さえおまえを拒んでしまう。


「痛かったら……やめるよ?」
「ダ……メっ……やめんな」
「聖ちゃん……」
「早く入れろ」


ほぐしようにも肝心の糸口さえつかめず、俺はもりに懇願する。


「痛くてもいいから……入れろよ」
「……ほんとに?」


首だけでコクコクと頷いて返す。


「……うっ……く…」

内壁を抉り取る様に指をズブっと入れられ、詰めていた息が洩れた。


「痛い?」


いちいち聞くなよ。
痛いに決まってるだろ。

力を抜こうと思えば思う程、変な力が入りもりの指を締め付ける。


「指……ちぎられそ」
「バカヤロ……」


埋まった指が、グリグリと中を掻き混ぜる。


「……ハァー……」


小さく息を吐いて痛みを逃していくと、新たな指がまた当てがわれた。
1本目に沿う様に押し入るけれど、さっき程の痛みは感じない。
もりの2本の指が俺の中で蠢く。
壁際を丹念に擦り上げ揉みほぐし、更に奥へと到達し、ある一部分をこすった瞬間、体験した事もない感覚が足先から脳天まで一気に掛け上がる。

雷に打たれた様な、強烈な痺れ。


「……アッ」


思わず洩れた声にゾッとするけど、何度もそこを触れられる度ピクピクと体が揺れる。


「もり……そこナニ?……ンっ…」


言ってるそばから電流が流れ、言葉は途切れた。


「ここいいの?」
「――ン……」
「聖ちゃん……もう入れていい?」
「んんっ」


もがく様に頷き、もりは俺の両足を自身の肩に掛け、ゆっくりと窄みに己をあてがう。


「いくよ?力抜いてて――」


指とは比べ物にならないそれがズイズイとこじあけ押し入ろうとする。


「ダメだよ……もっと力抜いて……息吐いて……」


言われた通り口から息を吐き出す。
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