BLシリーズの小部屋
□Birthday*Present
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ひとしきり唇を重ね、その感触を手放した後、もりは静かに笑った。
「こんな事してて大丈夫?レポート書かなきゃなんなかったんでしょ?」
ヤな事思い出させんなよ……
それより今ので、体の中心は鈍く疼き始めている。
『―――もり、しよ』
夕方、ふざけ半分で言った言葉を思い出す。
だからって自分でもりの足が完治するまではヤんないと公言した手前、今更誘える筈なんかない。
そんな俺のたかまりを知ってか知らずか、もりは顎にキスを落とし、そこから首筋…鎖骨…と続きを仕掛けてから、呆気なく体を離してしまった。
煽るように施されたもりの唇の熱は皮膚を通し俺へと伝染し始めて、ズクズクと熱くなるのが判る。
「もり……」
甘い響きを悟られないよう、懸命に抑えた声であいつの名を呼ぶと、ん?と真っ直ぐに目を見つめられた。
髪を愛しそうに撫でられ、そんな些細な事だけでも反応は増すばかりで。
………ヤバいって。
「レポート書くんだよね?」
もりが再度繰り返した。
こいつ……わざと言ってる?
俺を焦らして、楽しんでるんだろうか?
「今日はわざわざ来てくれてありがと。感動したよ……でも、そろそろ帰った方がいいよね?俺聖ちゃんの勉強の邪魔はしたくないんだ」
もりの寂しそうな顔を見て、それが本心だと悟る。
俺よりよっぽど大人じゃん。
欲望に負けそうな大学生と、相手を想い必死で抑える高校生。
もり……俺今メチャメチャおまえとしたいんだけど。
口にすれば楽だと判っていながら、それも出来なくて。
そんな事言えるくらいなら、もうとっくにこいつを押し倒してる。体格差は、この際置いといて。
「レポート、月曜提出つったよね?」
「ああ。正味2日で仕上げないと。7日に課題出して10日に提出ってのは、無謀だ」
あのハゲおやじはいつもやる事がイカれてる。