BLシリーズの小部屋

□もり&聖シリーズ 恋する巨人
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なんで俺が、味も素っ気もないミネラルウォーターなんて飲んでんだ?

『体にいいんだよ!美容と健康の為、1日1リットルの水、一緒に飲も』だとぉ?


それより何より、近所の主婦が集まって井戸端会議してます、みたいな現場になんで俺まで付き合わなきゃなんねぇんだ!!

バカ守人!ふざけんなー


「あ、やっぱりもりくんも液体派?うちもなのよね〜〜」
「いや〜〜1度液体使ったら、粉末は邪道っすよぉ」
「うんうん!そうよねぇ」


もりの反応に爛々と目を輝かせているのは、うちの母親。

ちなみに、粉末云々は洗濯用洗剤の話らしい。
洗剤に、邪道もクソもあるか、っての!!


「俺……そろそろ2階で――」
「あらぁ、せっかく守人くんが来てくれてるんだから、たまには3人でお喋りしましょ」
「せっかく来ても何も……こいつ毎日来てんじゃん」
「やーねー、守人くんこの子口悪くてごめんなさいねぇ」
「いいですよ〜おばさん。そこもまた聖ちゃんの魅力ですから」


はぁ〜〜
メチャメチャでかい溜め息をこれみよがしに付いて見せても、この2人には通用しない。


俺がコンビニへ出かけた隙にやって来たらしいもりは、母さんに捕まり暇潰しの相手をさせられていたらしい。
玄関まで洩れる談笑……気付かない振りで自室に逃げ込むつもりが、母に腕を掴まれ座らせられたソファの上、かれこれ1時間以上この手の話が続いている。

いい加減、この脳天気コンビから俺を解放してくれ。


「もりくん家、今日の献立なににするの?」
「うちっすかぁ?ロールキャベツ作ろうかなって思ってます」
「あら素敵。ロールキャベツ、うちも同じにしちゃおうかしら。ねぇ、聖」
「いいんじゃない?」


勝手にしろよ。
ロールキャベツだろうが、カレーだろうが、文句言わないから、早く2階に行かせろ。
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