BLシリーズの小部屋

□もり&聖シリーズ わがままも全部
2ページ/9ページ



無言で首を振り、そろりそろり近付いたもりは腰を屈め、ゆっくりと俺を抱き締め、俺を押し倒し………


「い゛ってぇ〜〜!!」


大声で叫んだ。

それもその筈、俺が何気に軽く足を踏んづけたから。


「悪りぃ〜〜!!大丈夫かもり?」


床に這いつくばって足を抑えたもりに問い掛けた。


「だい……じょう……ぶ……」
「つか、目ぇ涙目じゃねぇ?」
「ヘーキヘーキ」


ハハッと笑ったもりに、さすがの俺も悪いかなぁと思いだす。


「それより続き……」


ベッドによじ登り、唇を合わせ、ゆっくりもりの舌が口腔内を犯し始めた。

優しく吸ったと思ったら、次は強く吸われ歯列をなぞり、舌の裏側まで捲るように刺激されたら……ちょっとヤバいかも?


「……んっ…もり…」


顔を逸らし、近すぎて視点のぼやけるもりを見る。

おまえは、かっこいいよ。

キリッとした眉……
その下の幅の広い目元……
形のいい鼻筋……
厚めのちょっと大きい口元……
パーツパーツが綺麗に並んでる。

背だって高いし、ガッチリしてるし……おまけに気も利く。

モテねぇ筈がない。


「聖ちゃん?」


ぼんやり見つめたまんまの俺を不思議そうに呼んで、もりはもう1度唇を重ねようとするから、その胸元を押し返した。


「………やめろっ」
「えっ?」
「これ以上したら……止まんねーだろ?」


おまえがな……そんな響きを匂わす、ずるい俺。
ほんとは、止まらないのは俺の方なんだ。


「止まんないよ。だからすればいいでしょ?」
「ダメだ。やってる間にまたおまえの足蹴ったりしたらどうする?全治2週間?3週間?そんくらい我慢しろよ」
「ムリ」
「ムリでも我慢しろっ!!」


怒鳴る俺を、もりが情け無い顔で見た。


「俺の命令、聞けるよな」
「は……い」


しおらしく聞き入れ、名残惜しそうに、もりが体ごと除ける。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ